こんにちは、Miho Guideです
オランダでの家探しに関する情報を探っていると「最難関」とか「大変だった」という言葉をよく目にします。
実際にオランダ人からも「家探しは大変だし、家賃は年々上がってるよ。」という話を聞いていたので、私自身も移住前から心配していました。
早速、オランダに到着した日から私達夫婦はサポート業者などは使わず、自力で家探しに挑みました!応募件数は200件を超えていたと思います(笑)
その結果、応募から2週間で現在の住居と契約を結ぶことができました住居探しに最低1ヶ月は要すると覚悟していたので、早く決まった方だと思います。
自宅はハウダ駅(ゴーダ)から徒歩すぐのマンションで、89平米 3LDK €1450 (exclude) 日当たりが良く、旧市街にも近く便利な立地なので、内見で一目惚れしてしまいました
内覧した物件は7件、うち2件に応募し、1件の契約をもらいました。
今回は、応募から契約に至るまでの流れと、比較的早めに決まった要因などもご紹介したいと思います。この記事がオランダで家探しを始める方々に少しでも手助けになれば幸いです
何故オランダでの住居探しは大変と言われるのか?
では、オランダでの住居探しが大変と言われてしまう理由は何なのでしょう?
オランダは国土面積が九州ほどしかない小さな国ですが、農産物輸出はアメリカに次ぐ世界第2位という農業大国!なんと国土の53%を農業用地が占めています。
一方、寛容に移民を受け入れているオランダの人口は年々増加しています。増加する人口に対し政府は新しい住居の建設を迫られていますが、ご存じの通り国土の半分はオランダの経済を支える農業用地。その中には自然保護区も多く含まれています。さらに、EUの環境保護や労働規制なども加わり、住居を新設するのは容易ではありません。必然的に今ある住居で人口増加に対応しなければなりませんが、全然足りていないのが現状です。
さらに家賃も年々増加しているので、条件の良い住居に空きが出たとなれば一度に何十人という人が応募することも!日本では希望の住居があればすぐに内覧できますが、オランダでは内覧にたどり着けないこともよくあります。そういった理由から、日本と比べてしまうと契約にたどり着くまでが厳しい道のりなので【オランダでの住居探しは大変】と言われても無理はありません。
それでも、オランダの家探しは大変ではない!?
確かにオランダでの家探しは簡単ではないかもしれません。しかし思い返すと、私にとってはオランダでの家探しに費やした2週間が一番充実した楽しい日々でした
不動産会社からのメールや電話は英語なので語学の勉強になりますし、内見に参加することで他国の移住者と話をしたり、オランダの地理的なことも学べました。
住居探しに奮闘できるのはオランダ移住ならではの経験。簡単には上手くいかないことを経験し成長できるのも海外移住の楽しさだと思います。条件やタイミングによって契約にたどり着く期間は人により異なりますが、必ず住居は見つかりますよ
住居が決まるまでの流れ
ここからは、住居契約に至るまでの流れと手段をご紹介します。
私達は主に、Fanda というオランダ大手の部屋探しサイトを使って応募していました。日本でいうSumoのような賃貸サイトです。他にも、Pararius という同じく大手賃貸サイトがありますが、私はFandanの方が返信率が高く感じたので、ほぼFandaしか使っていません。
他にも、Kamernet いう大家さんと直接やり取りができる賃貸サイトもあります。私達は使っていませんが、今回私達が早く契約にたどり着いた要因は、大家さんと直接話をする機会に恵まれたことだと思うので、Kamernetは直接大家さんにアピールできるという点では早く家が決まる可能性も高いのではないかと思います。
Fandaのサイトで条件を設定すると、現在空きのある住居が沢山出てきます。応募から契約までの流れはこんな感じ
賃貸サイトから気になる物件にドシドシ応募。運良くそのまま内覧に招待されることもあれば、多くの場合は先に不動産会社に個人情報を登録したり書類提出の案内がある。
内覧への招待の連絡はメールか電話で来る。内覧で物件が気に入れば、会社の指示に沿って応募する。
数日後に選考結果の連絡がある。めでたく選ばれたら契約書が届きサインをし返送したら契約完了。
応募〜内覧の案内が来るまで
最初は掲載されていた物件にとにかく応募しまくっていたのですが、不動産会社からは返信すら来ませんでした…。
しかし何日か経ち、メールや電話で応募した物件の内覧者の募集は終わっているという旨の連絡が来るようになりました。どの物件だったかな?と確かめると、その半数はサイトに掲載された日から1週間以上経っているものでした。人気の物件はサイト掲載後1週間前後で内覧者を締めきるようです。内覧者が多すぎても選考が大変だからだと思います。
それからはサイトに掲載された直後か1週間以内の物件に絞って応募したところ内覧の案内が来るようになりました!
他の方もブログに書いているように、不動産会社や大家さんは毎日沢山の人から応募があるので、スピード感を持って対応するのが早く家を決めるコツだと思います。

内覧
内覧は、指定された日時に直接その物件に向かいます。会社によって内覧のスタイルは大きく2つに分かれるようです。
1つ目は、1回の内覧に10人から20人くらいを一度に招待するスタイルで、不動産会社の社員さんが時間になると物件の説明をしてくれて内覧者が自由に部屋の中を見てまわったり質問したりできます。
2つ目は、1組づつ時間を分けて内覧するスタイル。指定の時間に物件に行くと社員さんが15分くらい案内してくれます。
2つ目のスタイルの方が内覧に招待された人数は少ないのかなと感じました。私達が契約した現在の住居もこの2つ目のタイプで、ラッキーなことに大家さんも内覧に来ていたので、私達は物件を褒めまくり、まだビザは降りていないけど収入はあることや熱意を直接アピールすることができました。
実際に自分の目で物件を見るのは大切だなと思います。写真で見て絶対ここがいいい!と思っていた物件でも、実際に行ってみると部屋の雰囲気が重たいと感じたり、周りの環境が静かではないと感じたこともありました。逆に今の住居は写真では分からなかったのですが、日当たりが良く、周りの環境も良く、直感的にここがいい!と思い即決しました。
住み始めて合わないと思えば引っ越せばいいのですが、早さにこだわらず納得する住居に決めたい方は焦らずに自分の目で内覧して決めるのがおすすめです。業者に頼む場合も住居の周りの環境や家の雰囲気も詳細に伝えてもらいましょう。

応募から契約
内覧でその物件が気に入れば、数日以内にその物件に応募します。私達が今の物件に応募した際に提出した書類はこの3点
- パスポートの画像
- 不動産屋から送られた個人情報に記入フォーム (そこにオーナーへのメッセージなども書く)
- 収入証明
多くの場合書類に収入を記入し、それを証明する書類のアップロードなどが求められます。会社勤めしている方は月収が書かれた契約書の提出、フリーランスは収入を証明できるものや取引している会社との契約書を求められることが多いです。とはいえ、直接会社に問い合わせられたり詳しく調べられることはありません
私達は現在の住居に応募した時、夫はオランダでも日本の仕事を続けていたので日本の会社の契約書を英語に訳した書類を提出しました。
当時私は日本でフリーランスでしたので去年の確定申告書(日本語)しか持っていなかったので、自分で日本語の横に英訳を付け加えるという明らかに編集した感満載の確定申告書を提出しましたが、何も言われませんでした(笑)
聞いた話では、収入を証明するものがなかったので貯金通帳を見せて家を借りた方や、半年~1年分に家賃を先払いして信用を得たという日本人の方もいるそうなので、不動産会社やオーナーとの交渉次第で何とかなると思います!
応募者が他にもいれば大家さんがその中から住居者を選びます。モチベーションレターという大家さんに熱意を伝える手紙を求められることもありますし、もしオーナーと直接会う機会がなければ、手紙、写真、個人SNSなどを添えてアピールすると選ばれる可能性は高くなると思います!もし自分がオーナーだったら、書類の中からどんな人を選びたいかなと考えてみると良いかもしれません
パートナーがいると2つの収入を合わせられるので、収入条件のある家を選んだ際は多少有利だと思いますが、だからといって1人暮らしの物件を探す人は不利かというとそうではありません。実際に一人暮らし用の広さのアパートもありますし、一人暮らしを優先するオーナーもいます。私達が応募したもう一つの物件は1人暮らしの方が選ばれていました。

契約
応募から1週間後、私達はメールでオーナー承諾の連絡を受けました。何だか就活の最終面接に通ったような気持ちでとっても嬉しかったです(笑) 翌日にはオランダの契約書が送られてきました。
オランダ語の契約書はGoogle翻訳を使ってしっかりと内容を理解してから契約しましょうそれがもし詐欺であった場合、デポジットを払ってしまったらもう戻ってきません!
賃貸借契約書はその後の市民登録などで必要になります。
家賃相場はどのくらい?
オランダの住宅不足は深刻なので、家賃も年々上がっているそうです。
世界の統計サイト Statista によると、2023年オランダの1平米あたりの平均家賃は€17.77 でした。これを50平米(30畳) 2人用の住居に置き換えると、約€889 日本円で約137,800円(€1=155円現在)になります。でも実際はこの平均より高いなと感じました…。
オランダは面積の広い住居が多いですが、それでも日本の東京に比べて高いかと思います。
実際に家探しをして、私が感じた家賃相場を書いてみました。私の肌感覚的なもので、何の根拠もありません(笑)
どの街に住むか、広さ、シェアハウスか、家族用か、そしてオーナーの意向で家賃は変わるので、相場を出すこと自体がナンセンスかもしれませんが、これからオランダ移住をする方に少しでも参考になればと、200件以上に応募した私の体験から書いてみます。
ちなみに、アムステルダムは激戦区のため、私達は応募すらしていないので省きます!(アムスで探す予定の方ごめんなさい。)
主に、ハーグ、ライデン、ユトレヒト、デルフト、ロッテルダムやその周辺を中心に探しましたが、まだビザも取れていない&オランダ語話せない&オランダ企業勤務ではない私達の状況(恐らく起業ビザで移住する日本人の多くは似た条件)だとこれくらいが決まりやすい家賃かな?と思いました。
シェアハウス €500-1000
1人暮らし €1100~(または家賃上がるが2人以上の広い家を探す)
2〜4人 €1200-€1800
ざっくりですみません(汗) 多くの家は家具付きで貸し出していますが、スケルトンと呼ばれる家具なしや床のタイルが貼られていない家は競争率も家賃も若干下がるようです。
早く家を決めるコツ
ビザ申請をするには住所が必要なので、早くビザを手に入れるためにもなるべく早く住居を決めたい思っていました。
私達が早めに家を契約できた要因は大きく分けて2つあり、1つ目は運良くオーナーが内覧に来ていたので熱意を伝えられたこと。
2つ目は1つの場所にこだわらず、あらゆる街で探したことだと思います。
最初はハーグに住みたいと思っていたのですが、色々まわっているうちにGouda(ハウダ)もいいなと思うようになりました。それほど大きい街ではありませんが、素敵な旧市街が街の中心にあり、sprinter(各駅停車) もIntercity(快速) も止まるのでどこの都市に行くにも便利、かつ落ち着いて暮らせると思ったからです。
他にも早めに決まる方法を、自分なりに考察して書き出してみました。
・応募が出たばかりか出て1週間以内のものを中心にどんどん応募する。
・いつでも提出書類を出せるように事前に揃えておく。(英語の収入証明や雇用契約書)
・不動産会社に積極的に連絡、返信する。
・人気の街や大きな街以外にも目を向ける
・モチベーションレターは写真なども使って熱意をアピール!
不動産会社と距離を縮めておき、覚えてもらうと内観に頻繁に呼んでもらえるかもしれません。会社に登録した日時が古い人から優先して内覧に案内してくれる会社もあったので、続けていればチャンスも広がるはずです。
また、夫は不動産会社から送られる内覧者締切の残念メールに対しても「連絡ありがとうございます。良い物件があったらぜひ連絡ください。」と丁寧に返信していたところ、Fundaには掲載されていない別の物件の内覧に招待してもらったこともありました。
注意が必要な不動産会社
外国人だけを対象にした不動産会社は注意が必要な場合もあります。
私達も一度、明らかに外国人から高い家賃を取ろうとしている不動産会社の内覧に呼ばれたことがあります。その家は30平米くらいの1人用アパートで、引っ越し直前のインド人が2人で住んでいたのですが、家賃は1ヶ月€1500 (23万円 1€155円計算)と、部屋の大きさに似合わない家賃の高さでした。内見に来ていた人も私達と同じ日本人やポーランド人らしき人達だったので、外国人が家探しに苦労するところに漬け込み、高く貸し出している感じがしました。
私達はFundaで見つけのですが、同じく内見に呼ばれていた日本人の男性はその不動産会社の人とはFace bookで知り合ったと言っていました。Facebookで出会った不動産屋に詐欺にあったという話を聞いたことがあったので、私達はFacebookは使いませんでした。しかし、オランダ人の間ではFacebookでシェアハウスの相手を見つけるのは一般的のようなので、使い方によっては有効に活用できると思います。
以上が私のオランダでの住居探し体験記でした。
私が思うのは、多くの日本人の移住者にとって住居を見つけることよりもオランダ移住を決意し実行に移すことの方が簡単ではなかったはずです。これから住居を探す方は、まずはオランダ移住を決意できた自分に自信を持ち、余計な心配はせず前向きに進んで欲しいなと思います。
ぜひ、オランダ移住でしかできない経験を楽しんでください
